2008年10月、稲垣ゼミに前年と同じく「デジタルコンテンツコンテスト」応募の季節がやってきた。去年と少し違う点は、「2008年度 学生の声 FDコンクール」と「国際文化学部のパンフレットの表紙」この二つのコンクールにも応募をしてみよう!と決めたことだ。
「デジタルコンテンツコンテスト」については2007年の「デジコン」で説明されていたと思うので説明は省こう。「学生の声 FDコンクール」応募とは、普段の大学生活を通して、学生達が思っていることや意見などを様々な形式の作品にして大学側に伝える。これは、「教員・職員・学生でともに作ろう、より良い授業」をテーマに法政大学FD推進センターが主催するコンクールである。そして、「国際文化学部のパンフレットの表紙」はその名の通り、2009年度入学の新入生達に国際文化学部の授業内容や活動などについて紹介するパンフレットの表紙をデザインするものだ。
「自分の好きなものに出していいですよ。」と先生に軽く促されながら、ゼミ生は皆悩みつつも、案外素早く直感で自分の得意な分野や挑戦したいものを各自選択していったのであった。それでは最終的にゼミ生の応募したコンクールと作品を一人ずつ記して、いくつかの作品を紹介してみよう。
山田愛実
FD学生の声コンクール 短歌
「学校生活でふと思ったこと」
国際文化学部パンフレット表紙(稲垣立男賞)
服部祥子
FD学生の声コンクール 短歌(佳作)
国際文化学部パンフレットの表紙 (岡村民夫賞)
デジコン 「手は生きる」
「Here I am!」
宮内友梨奈
デジコン「ROSE」
田中麻理
デジコン「自然」
大橋勇輝
FD学生の声コンクール 散文(佳作)
「法政座談会」
星野奈採
FD学生の声コンクール 短歌(佳作)
国際文化学部パンフレットの表紙(甲洋介賞)
照井理和子
FD学生の声コンクール 漫画(佳作)
吉成佳那子
FD学生の声コンクール 短歌(優秀賞)
清水翔子
国際文化学部パンフレットの表紙 (最優秀賞)
FD学生の声コンクール 川柳 (最優秀賞)
飯島行人
FD学生の声コンクール 短歌(佳作)さく
高橋侑希
国際文化学部パンフレット表紙(近藤京子賞)
最優秀賞を受賞した清水のイラレ作品は、国際文化学部の売りでもあるSA留学やグローバルなこの学部の特徴をぴったり捉えていると思う。「シンプルなデザインだけど、実は細かい作業の連続でした。パズルとピースに国旗の柄を施していますが、全てレイヤーを重ねているので一つ一つに時間と手間がかかっています。」だから、評価されたときは嬉しかった、と彼女は語る。そんな彼女の作品が今年のパンフレットの表紙を飾るのは、稲垣ゼミの一員として私も今からとても楽しみだ。「初めてのイラストレーターを使った作品で苦労しました。細かい作業が多かったため3つの校舎が描き上がった時は達成感で一杯でした。」全て手描きとは思えないほど丁寧に仕上げた高橋の作品。堅いイメージの建物の中でもイラストにおける彼女独特の柔らかいタッチが消えていない。
デジコンでは服部が出した「手」という作品がある。「昔から手のしわや指紋を見るのが好きだったので描いてみた。パソコンで線を描くことは難しいと思った」と語ったが、その本人がこだわったというそれぞれの指の色に注目してみると、まるで春夏秋冬のそれぞれの季節が手のひらに溢れてくるような不思議な感覚に陥る。この作品を見ていると何だか自分の手をじっくりと見つめてみたくならないだろうか。また「自然」をフォトショップで描いた田中は、水墨画の雰囲気をイメージしたという。「フォトショップに入っているスタンプツールで描いてみたくて作った作品。最初、水墨画によくある「川・木 にとまる鳥」のイメージで考えていたのだけど、実際スタンプツールに木のスタンプはないので、枝をどうやって表現しようかと考えた末、葉っぱを組み合わせる結果となりました。」シンプルになってしまった、と話すものの、暗い背景での色鮮やかな植物、動物はやはり目を惹きつける。苦労したという川のうねりも花をゆっくり運んでいく自然そのままの緩やかな流れを感じさせてくれる。
FDコンクールで漫画の作品を出したのは照井だ。「犬くんの騒がし授業の心の叫びです。マンガ風のレイアウトが中々決まらず、迷いました。」授業中の先生や学生を犬が演じているユーモアある作品だ。授業中、肝心な先生の言葉がかき消される。そんな、もどかしい思いをした学生はきっと犬君に共感できるだろう。「ざわざわ」の雑音の中にさり気なく「わん」が入っているのがまた笑いを誘う。
他にも様々な個性溢れる作品があるが、皆一様に自分の持つ感性を自分たちなりに一生懸命発揮し、色々な分野で健闘した。
このコンペを通して学んだことは多いが、その中で一番大切なことは「自分たちもやればできる」と思えるようになったことだろう。初めは全く使い方が分からず、先生に何度も泣きついたソフトの扱いも、悪戦苦闘するうちにいつの間にか一人で黙々と進めていけるくらいに上達していたものだ。川柳や短歌も漫画も、私たちが普段はあまり触れないものであるが、それでも今回のことで改めて自分の学生生活を振り返ることが出来、それを文字や絵に起すということは面白く、なかなか新鮮でもあった。その結果として、多くの賞を頂けたことは喜ばしく、本当にありがたいと思う。きっかけはコンクールであったが、きっと私達はこのことを通してきっと今後に繋がる新しい一歩を踏み出せた。そしてあの時は尻込みせずに積極的に取り組んでよかったなぁ、と今はしみじみと感じるばかりである。


コメントする