My Place/私の場所 企画書より
アーカスプロジェクト2001/コミュニケーションプログラム/スクールワークショップ『My Place』
2001年11月15日から2月8日にかけて、茨城県守谷市内の三つの小学校で、卒業を控えた六年生を対象に学校での思い出を巡るワークショップを行った。美術館や博物館でよく目にする「キャプション」から着想を得て、学校の中で起こった思い出深い出来事を記したキャプションを作り、実際に出来事が起きた場所に展示した。これらのキャプションは卒業式の日まで校内に掲示され、この期間、学校は子供達の「思い出の博物館」になった。
子供達にはリアルな日常の場である「学校」での思い出を検証していく過程で、思い出と場所との関係が少しずつ目に見える形になり、人々と場とのつながりが子供達自身や学校関係者にもわかりやすい形で示されていった。そのことがさらに校内でのコミュニケーションを生み、子供達と学校により密接な関係を作り出す結果となった。
ワークショップでは、作品(=イメージ)とキャプションの関係についてのレクチャーに始まり、年表を作って学校生活を振り返ったり、それぞれの作ったキャプションを友達同士で交換して、それに基づいた絵をお互いに描いたり、実際の場所を地図上で示したり、キャプションの貼ってある場所で議論をしたりと、子供達の感性を刺激するよい機会となった。ワークショップ終了後、「思い出」のキャプションは一つずつタイルに焼き付けて各校に設置、子供達の存在を記憶に刻むものとなった。また、ワークショップの様子を記録した記録集は、学校生活での思い出の記録ともなった。
地域の記憶を共有する
2001年に小学校での日々の生活の中での思い出を考え、それらを共有するワークショップ「My Place」に参加した児童が、7年を経て今年度20歳となり、成人式を迎えることになる。1年生であった児童は中学1年生、当時在学していた子どもたちは、それぞれが社会との関係が大きく変わる十代の入り口と出口の世代となっている。
ワークショップ参加者たちが守谷の町の中でどのように日々過ごしてきたのか、今回のワークショップを通じて、その時考えていた学校や日々の生活や自分自身のことなどについての思いを語る機会としたい。さらに現在の同地域の6年生の学校の「思い出」と7年前の思いを結びつけるアート・プロジェクトを実施したいと考えている。プロジェクトを実施することにより、関わった人々がそれぞれの学校や地域の思い出や記憶について共有できる場となればと考えている。
2001年は守谷町が守谷市になった年であり、その後TX(筑波Express)が開通して守谷は東京に近くなった。守谷をめぐる環境が少しずつ変化している一方で、目前に広がる田園風景は以前とは変わりなくもみえる。そうした見た目の変化の中で、人々の日々の生活や地域のコミュニティはどのように変化しているのだろうか。今回のプロジェクトを通じて、そうした地域の課題についても考えて行くきっかけとしたいと思う。
ワークショップ実施計画
※2001年度のワークショップでは約90分のワークショップを計3回実施したが、
2009年度は約40分のワークショップを2回実施する。
第1回 表現すること、鑑賞することについて
A. 導入 レクチャー(5分)
プロジェクトを行うにあたって、表現とは何かについてレクチャーを行い、また具体的な例を交えたワークショップを実施して子供達の理解を深める。伝達手段としての表現、表現されたものを鑑賞するということについて考える。とりわけ、「文字」を使った表現ということのスポットを当て、その具体例を示す。
例 博物館の説明文、キャプションなど
B. プレ ワークショップ(15分)-私の博物館
小学校のキャプションを作る。
「年表」 在校中に起こった出来事を思い出し、年表を作る。
「特徴」 小学校のことをしらない人達に、見どころを伝える。
「場所」 私達は今どこにいるのか、知らせる。
C. 導入 プロジェクトMy Placeについての説明(5分)
1時間目のワークショップを受けて、プロジェクトの進め方についての具体的な説明。学校の中に残すということ。在校生やこれから松前台で学ぶ人達へ向けての表現であるということの確認。。
D. 作業(15分)
「学校で起こった思い出深い出来事を1文で説明してください。」
実際にに子供達に文を書いてもらう。
なぜその出来事が思い出深いのか、文章に書いてもらう。
場所を地図上に示す。
E. まとめ(5分)
テキストの回収
第2回目の導入
準備 ワークショップ材料、ペン、紙、原稿用紙、地図など
第2回 思い出を共有しよう!
A. 導入(5分)
前回のワークショップを受けて、何人か子どもたちの小学校での「思い出」を紹介する。本日実施する「My Place」の意義について説明する。
B. 作業と確認作業。(5分)
グループにわかれる。こちらで準備しておいた「思い出のキャプション」を配る。大きな校内地図を準備して、そこに自分の話と地図上の正確な位置を記述してもらう。
準備 ワークショップ材料、ペン、紙、地図など
C. My Placeに出かける。(30分)
グループごとにそれぞれの「思い出の」ポイントを回り、「思い出のキャプション」を貼る。お互いの「My P;ace」を確認、議論する。
D. まとめ(5分)
「思い出を共有することの確認」
※ ワークショップ当日は、アーティスト稲垣およびアーカススタッフがサポートメンバーとしてワークショップを実施する。
補足 ワークショップ実施に向けて
A. ワークショップ実施に際しては学校側、特に担任の先生方とは綿密に打ち合わせをおこなうようにし、問題点などを事前に把握しておく。
B. ワークショップの準備や撤去などについてはアーカス及び稲垣スタッフでおこなう。場合によっては各小学校に協力をお願いする場合もある。
C. 第2回でインストールした「思い出のキャプション」を学内に一定期間展示し、他の学年の児童と思い出を共有するものとしたい。


コメントする