2008 Doi Saket Museum

2008 Doi Saket Project

--地域コミュニティとのコラボレーションによるアート・プロジェクトー

1. Doi Saket Museum

2. Wat Patumtaram保育園でのワークショップ

場 所:Doi Saket Market(チェンマイ・タイ)

期 間:平成20年 7月27日〜平成20年 8月16日

スタッフ:法政大学国際文化学部稲垣研究室

梅垣沙織 片寄真由子 宮内友梨奈 山田真奈美 (4年生)

飯島行人 高橋侑希 照井理和子 吉成佳那子 (3年生)


Doi Saket Museum

2008年7月27日〜8月16日

Doi Saket Market(タイ・チェンマイ)


2008年7月27日〜8月16日にかけて、ポーラ美術振興財団の助成によりタイ・チェンマイ郊外のドイ・サケットで地域コミュニティと共同のアート・プロジェクトを実施した。私にとってドイ・サケットでのプロジェクトは昨年のWat Patumtaram保育園で実施した実施した「Child hood Museum』に続き2度目となる。

今回のプロジェクトでは初めて法政大学稲垣立男研究室のメンバーが運営スタッフとして加わることとなった。プロジェクトは今回も同地域にあるアーティスト・イン・レジデンス"Compeung"に滞在しながらの実施となったが、Compeungを運営するアーティストのOngはじめ、2人のアーティストがサポートメンバーとしてプロジェクトを支えてくれた。今回はドイ・サケットのいわば街のインターフェイスとも言える青果市場を中心としたプロジェクトを実施することになっている。また昨年に引き続きWat Patumtaram保育園においても子ともたちとワークショップをすることになった。


Doi Saket Marketについて

Doi Saket地区にあるDoi Saket寺に隣接するDoi Saket Market(市場)は地域のコミュニティにとって生活の中心である。買い物はもちろん、生活に密着した様々な事柄と密着した場所である。この市場周辺の歴史を少し紐解いてみると、一番最初は20世紀初頭、Doi Saket寺の麓に、後に町の中心となる部分が作られた。カーン・ファダン・ドイ・ダン(街の最初の市長)は、市街地を作ることを決めた。そして最初の市長によって最初の市街地が今の市場の北西に設立された。市街地が拡張され、人口が増加した。そして市場は今の場所に移動せざるをえなくなった。昔の市場は土の地面だった。販売業者は陳列台を持っている者も、持たない者も両方いた。基本的には業者は品物を竹の籠やバナナの葉の器のような天然素材の容器に入れて並べていた。また、一部の業者は大きな紙製の傘を、日光や雨から商品を守るために持っていた。人々はまた、公共水道を洗濯や飲用として使っていたのはもちろんのこと、乗り物であった彼らの家畜にやるためにもよく使っていた。第二次大戦では、この辺りには防空壕があって、日本兵がよく歩いていた。当時はチェンマイに行って取引をしようとする人は、2輪車に乗っていく必要があった。Doi Saketから行くには、2輪車で早くても半日かかった。また、行商人の隊列が2つの都市を行き来していた。チェンマイとチェンライの間で、彼らはかならずここに立寄り、休養したり商売をした。当時のこの街は、今で言うところのバス停留所か中継地点といったところだろう。田舎は次第に現代化の道を進んでいった。市場もすこしずつ進歩した。新しいマーケットが地方法に従って始まったのは1994,5年頃で、2004年にすべての改装工事が竣工した。昔の人々は竹で作られた低い陳列台で商品を並べていたが、今は陳列台は高いコンクリート製になり、電気、排水溝、スピーカー、換気扇と高い屋根を備え、整然と配置されている。


調査活動

あらかじめCompeungにお願いして、Doi Saketのマーケット内でアート・プロジェクトを実施したい旨をマーケットのオーナーに打診してもらい、快諾していただいた。

あらかじめ取材についてマーケットで働く人々にアナウンスしておいたもらった。学生スタッフとビデオカメラ片手にマーケットの人たちにインタビューをした。インタビューの内容としては、マーケットのこと、Doi Saketでおこった出来事、のこと、お店や商品のこと、家族のことなどマーケットの人々の生活に関することについて全般的にお話を伺った。


博物館の制作

リサーチと平行して、マーケットの中につくる博物館の建物や展示場所、博物館内の展示物などのデザインを検討し始めた。現地、しかもマーケットの中や近所で購入できる材料を使って制作することとした。


博物館の公開

マーケットには地域のほとんどの人々が一日に一度は来る場所なので、当然のようにこの博物館には多くの人が訪れた。マーケットの人々からは、博物館に展示してあるものは自分の友人であったり、自分たちに関係した事柄やものなので、親しみを持って受け入れていただいた。

このプロジェクトを通じて、個人から広がる地域と場所との関係が目に見える形になり、生活や地域の表情がわかりやすい形で人々に示されていく。そのことがさらに地域でのコミュニケーションを生み、人々と地域により密接な関係を作り出す結果となる。プロジェクトが地元の人々や外から訪れる人々が集い、憩い、自分達の考えや思い出を語り合ったり、自分の故郷や愛する人々との関係に想いを馳せる場所になる。人々が繋がり、お互いの様々な考えを交換できる有機的な場を創ることができたのではないかと、自負している。


プロジェクトの意義について

地域の人々との共同制作による作品が同地域で公開されるため、地域の人々の生活目に見える形にし、お互いの創造性を高めるような環境をつくることに意識を注いだ。制作のテーマを地域の日々の生活とすることや、この地域特有の素材を使うことで、地域とコミュニティとの関係性を探る。これらの作品や制作のプロセスを一般にも公開し、これまでアートになじみの薄かった人々にも親しみやすい場を提供することになる。


アーティストは、表現の作り手としての立場を人々と共有し、ファシリテーター的な役割を果たしながらプロジェクトに関わる。地域をテーマとしたコラボレーションによる制作を通じて、人々が繋がり、お互いの様々な考えを交換できる有機的な場が創り出されるであろう。

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